X(旧Twitter)で誹謗中傷を受けたら?
削除より先にやるべき初動対応【法的・実務ガイド】
誹謗中傷の投稿を見つけたとき、すぐに削除や反論をしたくなるかもしれません。
しかし、焦って行動すると、証拠を失ったり、二次被害を招くこともあります。
この記事では、法律と実務の観点から「削除よりも先にやるべき初動対応」を整理します。
⚖️ SNS誹謗中傷の法的リスクとは¶
X(旧Twitter)上の発言は「個人の意見」ではなく、公に発信された記録として扱われます。
他人の社会的評価を下げるような投稿は、刑事・民事の両面で責任を問われる可能性があります。
🔹 主な関連法と罰則¶
| 罪名 | 概要 | 法条 | 法的効果・罰則 |
|---|---|---|---|
| 名誉毀損罪 | 事実を示して人の社会的評価を下げる行為 | 刑法230条 | 3年以下の懲役・禁錮または50万円以下の罰金 |
| 侮辱罪 | 事実を示さず、人の人格を侮辱する行為 | 刑法231条 | 1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金、拘留または科料 |
| 業務妨害罪 | 虚偽の情報(偽計)や威力を用いて人の業務を妨害する行為 | 刑法233条 | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
| 民事上の不法行為 | 精神的苦痛(慰謝料)などに対する損害賠償請求の根拠 | 民法709条 | 損害賠償責任を負う(慰謝料等) |
SNSの投稿は「一時の感情」でも、法律上は公言した事実の記録として扱われます。
そのため、誹謗中傷は「個人間のトラブル」ではなく「権利侵害」として処理されます。
📂 削除よりも先に「証拠保全」を行う¶
誹謗中傷の投稿は、投稿者が後から削除・鍵アカウント化することが多く、
証拠が失われると法的対応が極めて難しくなります。
したがって、削除要請より先に、投稿内容を正確に記録することが最優先です。
🔹 保存すべき情報¶
- 投稿本文(テキスト・画像・動画など)
- 投稿日時・ユーザーID・投稿URL
- リプライ・引用・スレッドの前後関係
- 被害者側の投稿とのやり取り経緯
🔹 保存の方法¶
| 方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| スクリーンショット | 手軽・即時保存可能 | URLや投稿日時を含める |
| PDF保存(印刷機能) | 改ざんしにくい形式 | 長文投稿では複数ページになる場合あり |
| 自動保存ツール | URL入力で自動保存可能 | 公開範囲・個人情報に注意 |
💡 ポイント: 「いつ」「どこで」「誰が」「何を言ったか」を、第三者が見ても確認できる形で残すこと。
改ざんのないデータが、後の警察・弁護士相談での最重要資料になります。
🚫 感情的な反応を避ける理由¶
誹謗中傷を受けると、怒りや悲しみから反論したくなりますが、
感情的な反応は事態を悪化させる原因になります。
❌ 避けるべき行動¶
- 相手を晒したり、引用リポストで批判する
- 「通報しました」「訴えます」などの挑発的発言
- DMやリプライで直接やり取りする
🧠 冷静に対応するための工夫¶
- 通知をオフにして心理的距離を取る
- 記録とメモに専念し、第三者に経緯を共有する
- 状況を整理した上で、必要に応じて専門家へ相談する
SNSでは「反応しない」ことが、最も効果的な防御です。
証拠を残し、冷静な判断を優先しましょう。
🧭 通報・相談の準備を進める¶
証拠を確保したら、次は通報・相談の段階です。
SNS運営・行政機関・専門家の支援を組み合わせることで、
削除や法的対応をスムーズに進められます。
🔹 プラットフォームへの通報¶
- X(旧Twitter)の「報告」機能から違反を申告
- 不適切な投稿を選択し、理由を明示して報告
- 対応には数日~数週間かかる場合があります
💡 相談先リンク集(日本国内)¶
| 区分 | 機関 | 内容 |
|---|---|---|
| 警察 | 警察庁 サイバー警察局 | 誹謗中傷や脅迫などネット犯罪の相談 |
| 法務省 | インターネット人権相談受付窓口 | 誹謗中傷・差別など人権侵害の相談 |
| 総務省 | 違法・有害情報相談センター | ネット上の違法・有害情報の相談 |
| 法律支援 | 法テラス | 誹謗中傷被害に関する法律相談(条件あり) |
| 民間団体 | 誹謗中傷ホットライン(SIA) | 誹謗中傷の削除依頼サポート |
通報や相談の際には、「投稿URL」「スクリーンショット」「投稿日時」などを整理しておくと、スムーズに対応してもらえます。
🧠 まとめ:削除よりも「記録」と「冷静さ」を¶
| 優先順位 | 行動 | 目的 |
|---|---|---|
| ① | 投稿を記録する | 削除されても証拠を残すため |
| ② | 感情的に反応しない | 二次被害を防ぐため |
| ③ | 通報・相談に備える | 専門家・公的支援を活用するため |
誹謗中傷に直面したときは、「削除」よりも「記録」から。
そして、一人で抱え込まず、信頼できる支援先へつなぎましょう。
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